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ステイホームにおける歯科医の変化
2020年6月17日
コロナ禍であらためて歯科医療はエッセンシャルワークであることを認識しました。
一方でリモートワークはできるタイプの仕事ではないのです。
歯科も限定的にオンライン診療が認められましたが、できることが限られています。
働いてくれるスタッフや来院される患者さんへの感染防止策に日々頭を悩ましています。
基本は歯科医師会からの頻繁に送られるメールを確認して、自分の医院に落とし込むようにしています。
緊急事態宣言解除後も、ニューノーマル(新しい常識、常態)として、導入した感染防止対策を継続していきます。
コロナ前は、週末、全国各地で歯科に関連する学会やセミナーが行われてきました。
僕も週末は博多にセミナーにでかけたり、時には飛行機を利用して東京まで学会やセミナーに行っていました。
学会やセミナーは3月以降は軒並み中止になり、僕自身も予定をキャンセルしました。
そこでZOOMなどを使ったウェビナーやオンラインセミナーが新しい歯科の研修となりました。
平日の夜であったり、日曜日の昼からパソコンの前に座って受講できます。
一般的にはZOOMでのリモートワークや部屋飲みが流行っていますが、歯科業界ではZOOMでの研修が流行っています。
福岡県柳川市 石井歯科医院
日本の保険診療における根管治療の現状 #感染管理
2020年6月14日
根管治療とは、一般的に歯の神経の治療のことです。
むし歯が大きくなって歯が痛いときに行われることが多い処置です。
また差し歯が外れた時や歯ぐきが腫れた時にも行われることがあります。
初めて歯の神経を処置することを抜髄処置といいます。
原因としては、いろいろな原因で不可逆的な炎症が歯の神経におきたときに行われます。
日本における抜髄成功率 約50% ⇒ 失敗率 約50%
北米における抜髄成功率 約88%
2012年 東京医科歯科大 須田英明 教授調査
これまで歯科においていろいろと勉強してきて思うのですが
日本の歯科医師の技術は、決してアメリカに負けていないと思います。
どこに成功率の差があるのか?この調査は以下の記載がポイントとなります。
日本 簡易防湿(ラバーダムしない)
北米 ラバーダム必須
それは、根管治療における細菌感染管理の初歩であるラバーダム防湿処置を行っていないことに尽きると思います。
抜髄処置時に細菌が入らないようなにすれば、成功率の改善が得られるのではないのでしょうか?
一方で、ラバーダムをできないぐらい歯の強度が弱くなっている場合は、抜歯が適応となってしまいます。
やはり、むし歯にならない。そして治療した部分が再度治療にならないよう定期的にメインテナンスも大切です。
福岡県柳川市 石井歯科医院
根管治療は歯科治療の土台です
2020年6月11日
どんなに質の良いかぶせもの(クラウン)を装着しようとも
質の悪い根管治療を行っているとすべてが台無しとなります。
一方で、どんなに質の良い根管治療を行ったとしても
質の悪いかぶせもの(クラウン)を装着してもすべてが台無しになります。
根管治療の失敗の原因は、無菌的な処置が守られていないことにあります。
歯の神経をとった根管内は免疫が働かないので、
無菌的な処置が行われていない根管治療は細菌感染をひろげているだけなのです。
同じ歯の2回目の根管治療は、すでに細菌感染しており、条件は不利な火消し作業になります。
根管治療の目的は根管内の細菌を可及的に除去・減少することにあります。
そのうえで、根管内に緊密に根管充填剤をつめ、接着性の支台築造をおこなうことが肝要です。
CASE
左上第2大臼歯の自発痛を主訴に来院
レントゲン所見で、大きなむし歯が歯髄に達している
急性化膿性歯髄炎の診断のもと、局所麻酔下で麻酔抜髄処置(根管治療)を行う
福岡県柳川市 石井歯科医院
オーラルフレイルって何?
2020年6月8日
オーラルフレイルとは、口に関する”ささいな衰え”が軽視されないように、
口の機能低下、食べる機能の障害、さらには、心身の機能低下までつながる”負の連鎖”に警鐘を鳴らした概念です。
① 噛めない
② やわらかいものを食べる
③ 噛む機能の低下
① → ② → ③ → ① → ② → ③ → ① ・・・・
お口の機能低下の負の連鎖をくりかえし、口腔機能の低下が心身機能低下につながります。
参考:東京都健康長寿医療センター 平野浩彦
それでは、オーラルフレイルを予防するためにはどうしたらいいのでしょう?
① かかりつけ歯科医を持ちましょう
② 口の”ささいな衰え”に気をつけましょう
③ バランスのとれた食事をとりましょう
いつまでも元気で、おいしく食べれるようにするには、もっと歯を大切にする必要があります。
歯を大切にするってどういうことでしょうか?
① 歯を毎日朝晩丁寧に歯ブラシする。
② 甘いものは控える
③ 歯の治療を中断しない
④ 定期的に歯の健診やメインテナンスを受ける
⑤ むし歯や歯周病になりやすいタイプかどうかを知る
まだいろいろありますが、まず5項目を知ってもらいたいと思います。
福岡県柳川市 石井歯科医院
口腔機能低下症の検査をしてみませんか? #オーラルフレイル
2020年6月3日
様々な研究により健康寿命と口腔機能との関係が明らかになってきています。
口腔機能の低下をいかにして防ぐか、または低下した口腔機能をどのように取り戻すかが重要視されています。
当院では高齢者の口腔機能を簡易的に知るためのに、口腔機能精密検査をおこなっております。
① 口腔衛生状態
② 口腔乾燥
③ 咬合力低下
④ 舌口唇運動機能低下
⑤ 低舌圧
⑥ 咀嚼機能低下
⑦ 嚥下機能低下
口腔機能精密検査の結果、3項目以上で該当基準に当てはまると、口腔機能低下症と判断します。
そして機能が低下している項目に対して、アプローチを行い改善もしくは維持していく必要があります。
65歳以上の方は口腔機能精密検査を保険診療で受けれます。お気軽にお問い合わせください。
福岡県柳川市 石井歯科医院
お口のメインテナンスについて
2020年5月31日
こんにちは。新型コロナウイルス感染症でご不安な日々を送っていることと存じます。
「お口のメインテナンスは不要不急ではないか」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
しかし、歯周病は歯を失うだけでなく、脳梗塞・心臓病・糖尿病・誤嚥性肺炎といった命に関わる疾患とも深く関連しています。メインテナンスはそれらを防ぐためのものであり、決して「不要」な治療ではありません。メインテナンスの期間を空けると、歯石の増加とともに、お口の中の細菌が増殖し、様々な悪影響を及ぼします。
ただし、セルフケアがしっかりできていれば、多少メインテナンスの時期を先延ばしにしても大きな問題はありません。
なお、当院では感染症対策を徹底しております。従来よりヨーロッパ規格EN13060で最高基準である「クラスB」の滅菌器を導入し、患者様が安心・安全に診療を受けられる院内体制を整備しています。また院内の換気と、来院される方の検温を行っております。
お口のメインテナンスをご希望の方は、どうぞ安心してご来院ください。
福岡県柳川市 石井歯科医院
paypayを導入しました。
2020年5月27日
海外では、紙幣や硬貨が手を介して流通することで、
現金決済が感染経路の一つになりうるのではないかという問題が注目されています。
新型コロナウィルス対策のひとつとしてキャッシュレス決済のpaypayを導入しました。
paypayは保険診療の支払いや、歯ブラシなどの購入でもご利用いただけます。
また受付には透明なビニールカーテンを設置しており、飛沫対策をしております。
石井歯科医院
セルフケアをがんばってみましょう!
2020年5月24日
新型コロナウイルス感染症専門家会議から新しい生活様式が示されています。
「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」
マスク下のお口のエチケットやケアを放置していいわけではありません。
1日3回以上 ハミガキすると以下のような報告があります。
心房細動の発症リスク 10%低減
心不全の発症リスク 12%低減
参考文献:欧州心臓病学会の機関誌 the European Journal fo Preventitive Cardiaolog
ウィルスはお口からも感染します。
お口のケアをすることで細菌を減らすことはウィルス感染への重要な予防策となります。
ステイホームのときにはお口のセルフケアをがんばってみましょう!
口腔機能低下症を知っていますか? #オーラルフレイル
2020年5月20日
食事や会話で気になることはありませんか?
歯が残っているのにかみにくい人が増えています。
お口も老化します。そのことを口腔機能低下症(オーラルフレイル)といいます。
口腔機能低下症は自覚するのが難しく50歳前後からはじまっています。
以下の項目に一つでもあてはまれば口腔機能低下症の疑いがあります。
① 硬いものが食べにくくなった
② 汁物を飲むときに時々むせるようになった
③ 口の中が乾くようになった
④ 薬が飲みにくくなった
⑤ 滑舌が悪くなった
⑥ 食事をするのに時間がかかるようになった
⑦ 食べこぼしをするようになった
⑧ 食後に口の中に食べ物が残るようになった
口腔機能低下症の検査は2018年より健康保険適応となりました。
当院でも対応しておりますので、ご相談ください。
石井歯科医院
歯科におけるスタンダードプリコーション
2020年5月18日
① 歯科診療にあたっては、全ての患者は何らかのキャリアとみなして、ラテックスグローブ、マスク、フェースガード(または防塵グラス)、白衣(必要に応じて防水エプロンの重ね着)などの個人防護具を着用し、スタッフ一丸となり感染防御に当たる。在宅診療を含めて診療前後のアルコール系擦式手指消毒剤や石鹸での手洗いを徹底する。
② 患者毎に滅菌済みのタービンハンドピースや器具類を使用し、使用後には速やかに滅菌を行う。
③ 全ての患者に対し、処置前に抗菌性洗口液でのガラガラ嗽を求め、エアロゾルの感染因子を減少させる。
④ タービンや超音波スケーラーの使用時には、バキューム・口腔外バキュームを使用する。
⑤ 印象採得などは速やかに専用の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒する。
(東京歯科大学 奥田克爾名誉教授 推奨)
以上のことを行っております。
石井歯科医院
石井浩一郎